第三回 星の林に月の舟
常盤コウです。
3日おきの更新を心がけます。
最初はしんどいかなぁ、って思ってたんです。飽き性ですし。
過去にサボテン枯らした人間ですしね、私(笑)
でも、意外と無理なく続けられそう。
苦痛じゃないんですよ、文字を書くのが
夢中になって書いてるとあっという間に2000字近くになってます。驚きです。
あ、だいたいこのブログは2500字を超えないくらいに作っています。
あまり長くてもしょーもないですし
学校にいましたよね、ムダに長く書いてくるやつ(笑)
個人的にあーいうの大嫌いでした💔
余談が過ぎました。本題に行きます。
今回紹介する小説は、
「星の林に月の舟」 です。
この本、独特の雰囲気があります。
昭和の良き雰囲気というか、ゆるーいけど、風情ある空気感というか。
古き良き昭和って匂いがあるんです。
著者は、特撮監督としてはレジェンドである、実相寺昭雄です。
実相寺監督は、空気を演出するのがうまいんです。
独特の恐怖感とか、空気の演出がプロです。
この小説にもその雰囲気の演出は遺憾無く発揮されています。
あらすじ
この小説は、実相寺昭雄の半生を脚色を加えて綴ったものです。
時代設定は、ウルトラQ(1966)の少し前から始まり、ウルトラマン(1966〜1967)、ウルトラセブン(1967〜1968)の監督を経て、怪奇大作戦(1968〜1969)までとなっています。
実相寺監督から見た、円谷プロやテレビ局の関係、変動していく周囲の雰囲気を脚色を加えながら描く。
SFポイント
今回のSFポイントは、ズバリ
”ノスタルジー”
これに尽きます。
実相寺監督の分の巧さなのか、この小説には終始、過ぎ去った時間への懐古の様な雰囲気がただよっています。
この小説は私的には、大きく3つに分かれています。
それぞれを繋ぐと、青春の最盛期までの上り坂と、ピークを過ぎてからの下り坂が、キッチリと書かれています。
順に書きます。
まず一つ目、冒頭からウルトラQまでです。
主人公はウルトラQの監督を任されます。
主人公は乗り気ですが、その彼女は
特撮に対して、”子供向けの紙芝居”と言い放ちます。
主人公は、それでも精力的に制作に励みます。
そして、作品は大成功。
それを弾みにウルトラマンの制作が決まります。
ここら辺の、世間に認められなかった者達が世間の評価を得ていく…
青春の上り坂って感じですね。
はっきり言って”眩しい”
そんな空気があります。この小説には
そして、制作はウルトラマンへ。
最初の頃は順調に進んでいました。
作品は大成功、スタッフからの評判も士気も高い。順風満帆です。
しかし、ある事が起こります。
怪獣の切り貼りです。
これは、現代の特撮では当たり前なのですが、怪獣を一体新造するのではなく、既存のものを切り貼りして新しいものを作る事です。
制作にはお金がかかるので、いずれはぶつかる問題でした。
節約が必要な、会社の当然の方針と言えました。
しかし、それに伴い加速するグッズ化などの生々しい作品の商品化…
主人公の中で何かが終わった音がしました。
自分が特撮に夢を見ようとしていることに、気づいてしまったのです。
そして、夢と現実の実態も…
主人公の青春が下り坂に入り始めました。
そして、主人公はウルトラセブンに移行する際の配置換えで、一度現場を去るのです。
ウルトラセブンの放送開始後、だいぶしばらくしてから、主人公は現場に戻ってきました。
そこで、主人公が見たのは、特撮で宇宙船となる小道具。
それは灰皿でした。
いくら資金難とは言え、特撮のメッカで飛ばしていいものなのか…
主人公の目は冷め切っていました。
そして、この後ウルトラQから連れ添った親友兼作家の”金城哲夫”が制作を離れ、故郷に戻ったのでした。
これで、主人公の”青春”は終わりました。
主人公の青春へのノスタルジーが、なんだか泣けてきます。
それはきっと嫌な思い出だけではなく、それ以上の情熱、愛、素晴らしい経験があるからなのです。
おしまいに
この小説は大変お気に入りです。
私が特撮大好き人間だからかもしれません。
周りには少しは自重しろと、言われますが 無理ですね(笑)
特撮が子供向けっていう人を見ると、
この人はわかってないって思っちゃうんですよ。
”子供騙し”と”子供にもわかる”を履き違えているというか。
子供にもわかるって凄い難しいと思います。
特にこうやって文章を紡ぐ様になってからはヒシヒシと感じます。
大人の方が子供より煙にまくのは、意外と簡単だと思います。
難しい言葉を使えば、わからなくても頷いてくれますから。
私もその一人です(笑)
でも、子供って絶対そんなことでは納得しないです。
理解できないことは、理解できないってハッキリと言いますよね。
そうです、大人を困惑させてくるアレです。
特撮というのは、子供向けです。
しかし、それは分かりやすく作っているだけであって、チャチなものではないのです。
作り手があの手この手で、子供たちに
伝えたいことを必死に見せつけるのです。
この努力を少しでも知って欲しかった、
今回の感想はそんな感じですかね。
………
あんまり小説について感想が無いですね(笑)
実相寺監督は私の大好きな監督です。
メトロン星人のちゃぶ台囲んでの対話は、名(迷)シーンです。
普通、侵略を企む宇宙人とちゃぶ台囲みます?
メトロン回のラストのセリフもアンチテーゼが効いてますし。
後、監督の演出がまたいい。
演者の毛穴が見えるほどズームしたり。
多分、慣れてくれば初見の映像でも実相寺監督の絵って判別できますよ(笑)
それくらい特徴的な人です。
今回は特撮愛が溢れましたね(笑)
今後、特撮のオススメ回とかもやるかもです。
今回はこれで終わります。