常盤コウのSF(少し不思議)ブログ

〝少し不思議〝な小説紹介!!

第四回 詩羽のいる街 前編

 

はじめに

 

4回目になりました。

無事に三日坊主を超えたようです(笑)

 

でもそろそろ大きな記事を一発書きたいところです!!

 

そこで、第四回は前編後編に分けて

2回にわたって書きたいと思います。

 

その2回にわたって書くものは、

山本弘さんの

『詩羽のいる街』です!!!

 

 

詩羽のいる街 (角川文庫)

詩羽のいる街 (角川文庫)

  • 作者:山本 弘
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: 文庫
 

 

 

これは今のところ好きな小説の3位ですね。

 

ちなみに一位も山本弘先生なんですけどね(笑)

 

皆さん承知の通り、

山本先生はSF小説の代表格です。

 

しかし、今作は科学要素が前面に出てきません。

 

作品を盛り上げるエッセンスとして出てくる感じです。

 

思えば、専門ジャンルのある作家が

それ以外のジャンルを書いた作品って

名作か駄作に分かれると思います。

 

名作方向ですと、有名どころで

アガサ・クリスティーの書いた

春にして君を離れ』

 ですかねぇ〜。

 

 

 

これもお気に入りですので、いつか書かせていただきます。

 

あ、駄作のほうはワザワザ言わないです(笑)

 

さてさて、本題に戻しますが、この小説の何が面白いのか

まずはあらすじです。

 

あらすじ

漫画家の卵、飯塚陽生は悩んでいた。

編集者の求める漫画と、陽生の求める漫画が違う事が原因だった。

 

そんな陽生は、公園で不思議な女性に話しかける。

 

「私と一日、デートしよ」

 

突然の言葉に驚いたが、強引に押し切られてデートする事に。

 

彼女の名前は”詩羽”

 

自分の人生が味気ないものであった陽生は、詩羽と過ごすうちに、彼女の持つ

特異性を見る。

 

それは、詩羽と繋がる人々は魔法にかかったかのように笑顔になっていくのである!!

 

そんな幸せを創る彼女に、徐々に陽生も巻き込まれていく。

 

(内容を全部書いたように見えるかもしれませんが、全体の5%も書いてないです。)

 

 

SFポイント 1

SFポイントの後ろに数字がついていますね。

これはなんだって思いましたね。

 

実は、この小説にはSFポイントが

2つ

あるんですよ。

 

そこで前編で1つ目を、後半で2つ目を書こうと思います。

 

それでは、1つ目のSFポイントを

発表します。

 

それは、

詩羽の”触媒性”

 

触媒の意味は、もう少し当ブログを読めば分かると思います。

 

しばしお付き合いください。

 

この小説には色々な人が出てきます。

漫画家の卵、自殺志願者の少女、図書館の受付、レストラン経営者etc

 

これらの人々はそれぞれ悩みを持っています。

 

漫画家としてデビューしたい…

つまらない人生を面白くしたい…

 

そんな願いを詩羽は叶えてくれます。

 

ただし、詩羽は人のその秘めた思いを

そそのかし、手助けをするだけです。

 

この時にこそ詩羽の”触媒”力が発揮されるのです。

 

例えば、スーパーの経営者は出来るだけ

廃棄する食品を減らしたい…

そして

レストラン経営者は出来るだけ安く食材を仕入れたい。

 

通常この二者は出会うことはありません。

頭に浮かべていても実行に移さないからです。

 

こうなればいいなぁ、こうすればもっと幸福になれるのになぁ…

 

少し動けば楽になれるとわかっていても人は動けないものです。

 

この二人もこのまま終わるはずでした。

 

しかし、ここに詩羽がいると状況は一変します。

 

レストラン経営者に提案するのです。

 

”廃棄直前の食材を安く貰ってくればいい”

 

”そしてそれをセールスポイントにすればいい”

 

その後、レストランは詩羽の

”そそのかし”

によってこのプランを実行

 

廃棄予定のメニューを前面に押し出して、エコランチとして発売したのでした。

 

詩羽の”触媒”力とは、

”人という歯車を組み合わせて、幸福という大きな力を産み出すこと”

 

これによって詩羽は、街を変えていきます。

より幸福な人が増えるように。

 

そして人々の願いが成就したのを見届けて、その代わりに少しの報酬をもらうのです。

 

お金ではなく、その人の個性にあった報酬を。

 

先ほどの例なら、レストランの食事券などを

 

 

まさに”詩羽のいる街”なのです。

 

 

おわりに

さてさて、もう一つのSFポイントは何だと思います?

 

人によっては当てられると思います。

 

俺は当てたいぞ!というチャレンジ精神をお持ちの方は

先に『詩羽のいる街』を読んでから

3日後に投稿する後編を読んでみてください。

 

ただ、私はひねくれていると、よく言われますのでサテサテ当てられますか?

 

当てられたら、あなたも

”ひねくれてる”

ということですね(笑)

 

それではまた、3日後に会いましょう