常盤コウのSF(少し不思議)ブログ

〝少し不思議〝な小説紹介!!

第12回 放課後はミステリーとともに

はじめに

ホームページの紹介文に

”学園もの”が好き、と書いておきながら

今まで一つも書いてきませんでした。

 

また嘘つき!!と言われるのもツライので(被害妄想)、この辺で一発かまそうと思います。

 

そんなわけで今回の小説は

東川篤哉(著)

放課後はミステリーとともに

 

放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)

放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)

  • 作者:東川 篤哉
  • 発売日: 2013/10/04
  • メディア: 文庫
 

 

東川先生といえばこの作品よりむしろ

「謎解きはディナーの後で」の方が有名ですね。

 

謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

  • 作者:東川 篤哉
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: 文庫
 

 

 

 ドラマ版のほうが有名かもしれません。

謎解きはディナーのあとで DVD-BOX

謎解きはディナーのあとで DVD-BOX

  • 発売日: 2012/04/27
  • メディア: DVD
 

 

 

櫻井くんの演じる”毒舌執事”で有名になったドラマです。

 

しかし有名な方を書くと

読者にナメられそうな気がするので

(偏見)今回は「放課後〜」にします

 

それではあらすじをどうぞ

 

あらすじ

主人公の霧ヶ峰は女子高生。あだ名はエアコン。

ただの女子高生ではなく探偵(部に所属)。野球好き(カープファン)

 

そんな彼女の周りでは事件が頻発。

彼女は嬉々として解決に向かうのだが

冴え渡るギャグに反して、探偵の腕は…

 

探偵部顧問の石崎先生、友達の高林奈緒子の助けも借りながら、事件解決を目指す。

 

キャラの濃さがウリの学園ギャグミステリー小説!!

 

SFポイント

今回のSFポイントは明確です。

それは

霧ヶ峰涼のキャラクター”

 

この小説はとにかくキャラの濃さが命です。

思うにミステリーにおいて重要なのは

トリックよりもキャラであると私は考えています。

 

なぜコナンくんがあんなに人気があるのか?

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ぶっちゃけコナンくんのトリックって大したことないですよね。

もっともトリックを毎週作るというのは本当にすごいことだとは思っています。

 

コナンくんの人気の理由はやはりキャラクターにあると言えます。

コナンくんの話ばっかしてしまいました。本題に戻ります。

 

この小説における霧ヶ峰涼はキャラの

ごった煮ともいえます。

 

さらっとどんなキャラか書くと、

本名:霧ヶ峰涼、あだ名エアコン

もちろん ♪きりが〜みね〜から

 

  • カープファン(学校の野球応援で一人だけスクワットコールを始める)
  • 本人は探偵のつもりだが、実際はワトソンポジ
  • ギャグはキレキレ
  • 探偵オタク
  • おっちょこちょい

などなどまさに属性の洪水。

 

しかし、探偵をこなせないわけではない頭脳の持ち主。ほとんどの章でワトソンポジをこなす彼女もホームズポジを務める回もあります。

 

そこら辺のバランスも良くできています。もっともほとんどの回はギャグキャラなんですけどね(自分のことエアコンって言う奴にメッチャ怒ったり)

 

しかしただのギャグキャラで終わらないのが、東川先生の主役!

 

霧ヶ峰は年相応の可愛らしさも持ち合わせています。猫嫌いの怪しいおじさんと遭遇し、それに対し猫をけしかけてビビらせるとかやったりします。

 

またおてんばな所もあります。

野球部の試合の時に広島カープの応援スタイル”スクワットコール”を行いますが

野球部のメンツは困惑(本来の応援ではないので当然ですが)

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結果調子を狂わされた野球部は負けたりします(笑)

 

もちろん霧ヶ峰以外のキャラも魅力タップリです。

探偵部顧問の石崎先生も変わった人です。

 

ビーカー、試験管でコーヒーを作って生徒に飲ませたり(しかもメッチャうまい)

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また授業をほっぽり出してハンズに行ったり。書いてるとキリがないです(笑)

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そんな感じで霧ヶ峰のキャラをメインに脇を固めるキャラも楽しめば、この小説は楽しめると思います。(もちろんミステリー要素も完成度高いです!)

 

おわりに

この作品はドラマ化しています。

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そこで前回のブログで私が言ったことがありましたね。

 

小説と映像のどっちを先に見るべきか!!

 

私は基本的には小説を先に読め、と言ったかと思います。

 

しかしこの作品は

”どっちでもいい”

そう評したいと思います。

 

なぜなら私が小説より先にドラマを見てしまったから!

というかドラマを見てこの作品を知ったんですよね

 

ドラマの霧ヶ峰と石崎先生が随分キャラ

濃くて、ドラマ用にキャラ作りすぎだろ

って思ってたら

小説の方がキャラ濃くて笑った記憶があります。

 

東川先生のキャラってクセが強くて見てて面白いんですよね🤣

 

石崎先生が東急ハンズに勝手に言ったせいで、自習になった時の生徒の発言

「先生なにしてるの?」

「ハンズに行ったらしい」

「ハンズならしょうがないな」

 

面白くないですか?この文章。

これが面白いと思える人はおススメです。この小説!

 

今回はこの辺でさようなら

第11回 ささらさや

 

今回から”第〜回の、〜の所を算用数字で書こうと思います。

 

漢字で一文字で書ける10回までなら

いいのですが、99回とかになった時に

”九十九回”

とかやると読みにくいですからね。

 

そこまで続くかは不明ですが(笑)

 

そんな皮算用かました所で

今回の小説は

 

加納朋子(著)

”ささらさや”

 

ささらさや (幻冬舎文庫)

ささらさや (幻冬舎文庫)

  • 作者:加納 朋子
  • 発売日: 2004/04/01
  • メディア: 文庫
 

 

 

この作品は何というか温かいんです。

ストーリー上の人の温かさもそうですが、この作者の文は何か読んでいて安心出来ます。

 

困難な目にあっても周りの人が助けてくれるみたいな安心感が。

 

(イメージ図)

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文章で書くのは難しいのですが、そのような感情を抱かせる小説です。

それではあらすじをどうぞ

 

 

あらすじ

引っ込み思案な主人公のサヤは交通事故で夫に先立たれてしまう。赤ん坊の子供、ユウスケと共に佐々良という街へ引っ越す。

 

引っ越した先でサヤは様々な事件に巻き込まれる。

 

しかしその度に死んだ夫が、誰かの体に取り憑くことで助けに来るのだ。

 

やがてサヤの周りには頼もしい近所の知り合いもできていく。

 

夫の力も借りながら、近所の人々の力を借りながら、サヤは徐々に母親として成長していく。

 

SFポイント

今回のSFポイントはズバリ

”人々の助け合いと、さやの成長”

 

この小説のスタート地点では、サヤは母親として未熟です。

 

もっとも、子供を残して夫に先立たれた

妻にしっかりしろ!というのはムリがあるのですが。

 

最初の頃のサヤは、困りごとが起こるとすぐにパニックを起こし、極度の人見知りで、すいませんばっかり言っている。

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だいたいこんな感じです。

 

ですから葬儀屋に騙され、親権を取られそうになり、死んだ夫以外に助けてくれる人はいない……こんな状態でした。

 

しかしストーリーが進むと、

サヤを強力にサポートするキャラとアクの強いおばさん3人衆(久代、夏、珠子)が友人になります。

 

この3人組がさよの家に頻繁に出入りすることになり、サヤもそれを楽しみにする様になります。

 

そして心の平穏をいくらか取り戻した

サヤは、郵便の配達員と談笑できるまでに成長⤴︎⤴︎

 

そして遂には同い年の友達を得ます。

その名もエリカ、子供の名はダイヤ。

 

エリカもシングルマザーだった事もあり、仲良しに。(エリカの場合は離婚なのですが)

 

そして最後には

あ、ネタバレになりそうなので

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(貼るのが遅かったかもしれないです)

 

この小説ではかなり最初のページから

子供のいない夫の姉が

ユウスケの為という大義名分の下

ユウスケの親権をサヤから奪おうとしています。

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そして最後には誘拐に近いものを行います。サヤは夫の力を借りることなく、周りの人の力を借りながら見事に解決して見せました。

 

サヤは見事な”母”となったのでした。

 

 

 

この物語はサヤの成長が主軸に据えられていますが、この点を加納先生はシッカリと描いています。

 

彼女の文体と合わさり、サヤはシッカリとした仲間を得て、母として成長していく。

その魅力を体感するのが、この小説の醍醐味といえます。

 

 

おわりに

この小説は映画化しています。

 

 

 

そして小説読みは必ず”ある難題”を抱えています

 

すなわち

”小説から見るか、映画から見るか”

 

小説を純粋に楽しみたい人にとっては

映画の俳優は想像の邪魔になります。

 

すなわち映画を先に見なければ

「このキャラはこんな感じの顔」

と、想像しながら読めます。

 

対して映画を先にみるとどうしても

キャラを想像するときに俳優の顔がダブります。

 

ハリーポッターなんかが想像しやすいと思います。

 

対して先に映画を見る派の人は

  1. 先に全容を把握したい
  2. そもそも小説なんか読まない
  3. 小説を読む際に俳優の顔がダブった方がむしろ好都合

このような理由があると考えられます。

 

さてさて私、常盤コウはどちらサイドの人間か?

 

答え:小説が先!!

 

だって映画を先に見たら不純物が混じるじゃないですか。

 

小説の醍醐味は

”著者と読者の対話”

これに尽きます!!

(異論はもちろんあり)

 

この作品も例外ではないです。

本作の映画での夫役は

大泉洋さん”

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言わずもがな大泉さんは

あのキムタクばりにキャラが確立しています。(けなしているのではなく、キャラを確立していることを褒めています)

 

水曜どうでしょうを見る分にはいいのですが、こと小説原作の映画ではダメです。

 

あまりに夫役の大泉さん成分が強いのです。

映画を観た後に小説を読んでも、もはや大泉さんの顔しか出てこなくなります。

 

これでは著者との対話など不可能であります。

 

よってこの作品に関しては

私は”小説が先”をオススメします。

 

もっとも同じ大泉洋さんが出演している

小説原作映画でも、映画が先でもいいものがあります。

 

それが”探偵はBARにいる”です

 

探偵はBARにいる

探偵はBARにいる

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

この作品は著者が自ら

大泉さんが主演ならokと許可を出しています。

 

これなら著者との対話を阻害していることにはならないです。

 

………

まぁ散々言ってきましたが、

ぶっちゃけ好きに読んで下さい。

 

私が書いた内容を真に受けて

小説を嫌いになられたら元も子もないですし(笑)

 

こんな楽しみ方もあるよ、くらいに捉えていただければ。

そうお考えください

 

今回はそろそろお別れにします。

それではまた次回

第十回 疾風の勇人

 

記念すべき第10回です。

 

そこで今回は何か特別な事をしたい!

そう考えました。

 

そこで、ふと今までのブログを見返しました。

 

すると、

”あれ?小説しか書いてない”と思いました。

 

そこで今回はマンガです!!

(バランス重視!!)

 

その名も

大和田秀樹(作)

疾風の勇人

 

疾風の勇人(1) (モーニングコミックス)
 

 

 

このマンガ、マジで好きです。

 

大和田秀樹先生といえば、他にも

『ムダヅモ無き改革』

 

 

も有名。

 

なお『ムダヅモ』の内容は、

外交は全て麻雀で決まっていて、

主人公の小泉ジュンイチローは海外の

政治家と麻雀で戦う。

 

という聞いてるだけで読みたくなる内容。

 

そんな大和田先生の繰り出す

疾風の勇人』はどんな内容なのか?

 

 

あらすじ

戦後の闇市に現れた眼光の鋭い男がいた。

彼の名は池田勇人

後の総理大臣である。

 

この時に大蔵事務次官であった彼は、やがて国会議員、大蔵大臣となっていく。

 

政治家になった池田は、吉田茂総理の下で、日本の独立を勝ち取るため

GHQや政治家たちとの

”政争”に身を投じる。

 

疾風のように駆け抜けた彼の人生を

大和田秀樹先生特有の誇張と熱さで描く、半分実話の伝記風マンガ!!!

 

SFポイント

今回のSFポイントは、ズバリ一言

”疾風のような男”

 

また、例によって訳わかんないですね(笑) 詳しく解説して行きます。

 

池田勇人という政治家について、皆さんが知っていることはなんですか?

 

所得倍増計画を言い出した総理大臣。

 

………こんなところじゃないですか?

 

そうです、あんまりよく知らない。

こういう答えになるはずです。

 

しかしこの男、調べれば調べるほど

マンガの題材に向いてる男なのです。

 

ザッと書いて見ます。

大蔵省に入省→難病になり退職→看病してくれた奥さんを亡くす→病気治癒→大蔵省復職→大蔵事務次官→国会議員になる→大蔵大臣→総理大臣→オリンピック成功後、すぐ死亡

 

どうですか?凄くないですか?

マンガの中で全てが描かれているわけではないですが、やはり大半は描かれています。

 

しかも恐ろしい勢いで出世していく、

まさに”疾風”な訳です。

 

しかし政治家が主人公だと

「硬いマンガなんじゃ」

と思うかもしれません。

 

ハッキリ言います。

政治を知らなくても、人を知らなくても

絶対に楽しめます。

 

大きく書いた割に、説得力がないですね(笑)

 

ここから説得力を持たせます。

 

まず、ビジュアルです。

実際の池田勇人はこちら

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…まぁ正直、この段階で

食えない人感が出てますね(笑)

 

しかし、マンガだと

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こうなります。

誰だこいつは?私は最初こう思いました。

 

この段階でとっつきやすいなぁって思いますね。

 

 

ん?思わない?

そんなあなたに。吉田茂のキャラ絵もお見せしましょう。

 

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………

はい、皆さんキャラデザに惹かれましたね(笑)

 

 

次にストーリーです。

政治といえば、

  1. 小難しい
  2. 金の絡む小汚い争い
  3. 汚職

こんなイメージですね。

 

しかしこの漫画は

池田勇人GHQと戦って、日本の独立を目指す。”

 

途中までは、基本このストーリーです。

シナリオは、すごーくシンプルに作られています。

(別にシンプルさをバカにしているわけではないです)

 

むしろ戦後史の勉強が必要な人に

これを読ませてみることをオススメできる本となっています。

 

実際私はメッチャオススメしています。

(まぁビジュアルが若すぎたり、誇張されてるところもいっぱいありますけど笑)

 

おわりに

このマンガの魅力はなんといってもキャラですね。

 

マンガの中の池田勇人は、広島弁で、税金の鬼で、喧嘩っ早くて、イケメンで、義理人情に厚い。

 

吉田茂も特徴的な顔を格好良くデフォルメして、交渉の達人、二癖ある池田達より癖のある性格(例:つまらない事を言う番記者を杖で殴る)

 

他にも妙にイケメンな田中角栄、妖怪ビジュアルの岸信介などなど。

 

とにかくキャラが見ていて飽きないので、政治なんてなんも知らない!って人も楽しいです。

 

さらにストーリーも良い!!!

占領下の日本から始まり、主権回復を目指す。って熱いですねぇ

 

王道なストーリーと癖のあるキャラがいい感じにマッチして素晴らしい作品となっています。

 

しかし、最大の欠点が一つ。

この作品は、”打ち切り”されている!

 

そうなんです。池田勇人といえば

所得倍増計画”と

東京オリンピック時の首相であり、

その後すぐに死亡”で有名。つまり1964年が池田勇人の人生のピークなんです。

 

しかし作品は鳩山一郎内閣誕生で終わり。つまり1954年で終了…。

 

岸信介をゲテモノビジュアルに書いたから、政治団体から圧力食らったとかいう陰謀論がある、この作品。

 

しかし、実際は”政治”が漫画雑誌の作風に合わなかったのかもしれません。

 

私が何を言いたいかわかりますか?

 

このブログがヒットして、みんながこの作品を読めば、再開があるかも!!!

 

これを期待してます。

大和田秀樹先生〜、講談社さん〜

私は今でも再開を待ってます!!!!

 

第九回 死神の精度

 

はじめに

前回、前々回と海外の小説を紹介しました。

 

そして今回も…とか考えましたが、

流石にバランス悪いな、と思い

今回は日本の小説です🇯🇵

 

そしてその小説とは、

伊坂幸太郎(著)

”死神の精度”

 

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

 

死神の精度と書くと

暗〜い雰囲気かと思いますが、そんなことは無いです。

 

むしろ伊坂先生独特の雰囲気といいますか、暗くなり過ぎない程よさでまとまっています。

 

さてさて、どんな内容なんでしょうか?

 

 

あらすじ

主人公の名は”千葉”。職業は死神。

 

死神といっても取り憑いて人を殺すわけではない。対象者に死ぬ予定の日の直前の1週間、対象者に付きまとい、死なせるべきかを決めます。

 

そして1週間後に死神が死に対して許可を出せば、対象者は死にます。逆ならび対象者は”天寿を全うします。

 

大抵は死ぬ事になるのですが…

 

この小説は死神の千葉と、6人の対象者との交流を、千葉の一人称視点で描きます。

 

SFポイント

今回のSFポイント、それは

”章と章の間の時間経過”

 

これです!!

 

この小説は6人の死ぬべき運命の人との交流を描くことはあらすじで述べたと思います。

 

あ、今書いてて思ったんですが、

ぶっちゃけネタバレしないとこの先が書けないです

(そこまでのネタバレではないですが)

 

というわけで

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この小説の第13章の”観察対象”は、冴えない男、荻原。

 

私が特筆したいのは、この男ではなく

荻原といい仲になる、古川朝美という女性。

 

あらすじもどきをここから数行書いて、状況整理をしたいと思います。

 

千葉の観察対象である、荻原がふとした拍子に出会った女性の名は古川朝美。

 

彼女はストーカー被害に悩まされていた。

 

千葉と荻原はその事件の解決を目指す。

 

ざっくりこんなもんです。

あらすじが過ぎるかもしれないですね(笑)

 

さてさてこの古川という女性。

登場当時は、どことなくおっとりとしていて、そしてストーカー被害に怯えていました。

 

そして荻原とはその事件を通して”いい仲”になっていきます。

 

同じ講演会のチケットをそれぞれ2枚ずつ買ってくるなど、その関係性も良好。

(千葉も、お前は死神か?って程協力しているんですがね)

 

しかし結局、千葉の出した判決は

「可」でした。

 

そしてその後、荻原が死んだ事を知らない古川と、千葉がラストで少し話してこの章は終わります。

 

何が悲しいって、ラストシーンの古川が

この章の中で一番明るいんですよ。

 

そんなおっとりしたいわゆる”女の子”だった古川が、最終章ではその面影がなくなります。

 

最終章に出てくる、メッチャ竹を割った性格の老婆が出てきます。

 

彼女こそ古川その人です。

 

あの後、数々の人を失う事になった古川は、どんな経験を経て、性格が変わっていったのでしょう。

 

こういう事を考えるのも、この小説の醍醐味です。

 

おわりに

この小説はさすが、ミステリー作家伊坂幸太郎っていう所がいくつもあります。

 

SFポイントで述べた、章と章の繋がりもそうなのですが、それ以外にも吹雪の中、ペンションに閉じ込められ、殺人事件に巻き込まれる章があります。

 

そこでは、千葉は死神でありながら、探偵🕵️‍♂️をさせられる事に…

 

一見ミステリーなのですが、そこに伊坂先生お得意のお笑い要素が組み合わさります。

 

千葉は人間社会をよく知らない。

そのせいでそばにいる人から見ると。千葉は完全に変人であり、周りから明らかに浮いてるという、シュール臭いギャグも放ってきます。

 

しかし結局事件が解決する辺り、上手く話を作るなぁ〜と思います。

 

今回はマジの体調不良のせいでかなり短いですが、これで終わります

 

次回までには治してきます(笑)

 

 

第八回 アルジャーノンに花束を

 

今回はこれ!!

ダニエル・キイス(著)

アルジャーノンに花束を

 

 

 

前回、洋書が好きと書きました。

 

そして今回も洋書を連投します。

バランス?知ったことじゃありません(前回のバランス発言とは?)

 

しかしこの小説はあまりにも有名ですね。

 

ぶっちゃけ皆さんの心の声

(もっと自分が知らない本を紹介しろよ😤)が聞こえて来ます。

 

被害妄想かな(笑)

 

しかし大丈夫です。

なぜならこのブログの紹介は

”私の着眼点”がウリ

ですから!!

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この小説に対する絶妙な着眼点を

SFポイントで紹介したいと思います。

 

それではあらすじをどうぞ

 

あらすじ

主人公のチャーリー・ゴードンは32歳だが、児童並みの知能しか持たなかった。

 

そこに耳寄りな話が舞い込む‼️

ネズミによる動物実験に成功したばかりの、知能向上手術の実験台となる権利を得たのだ。

 

そして知能の向上した

ネズミのアルジャーノンに感銘を受け、手術を受けるチャーリー。

 

手術は成功し、チャーリーの知能は急上昇。

 

やがて天才と呼ばれるまでに成長するが

、今度は周りの人間の愚かさに苦しみ、そして孤立していく。

 

そしてある時、アルジャーノンの様子がおかしくなり始める…

 

SFポイント

やはり小説の名前は知らなくても

内容は知っているって人もいると思います。

 

安心してください。

私がこの小説をオススメするのは

内容からではありません。

(内容を否定している訳ではないです)

 

私の推しポイント、それは

”日本語と、この小説の相性の良さ”

 

さては皆さん

(変な着眼点でこの小説見てるなぁ)

って考えてますね(笑)

 

さてさて、この小説は洋書なので

もちろん原文は英語です。

 

大抵の本は翻訳されると、物語の魅力が低下すると思います。(個人の偏見の可能性あり)

 

例えば、言葉遊びで有名な西尾維新先生の本は、翻訳すればその魅力は大きく落ちると思います。

 

しかし、この小説は違います。

 

原文の小説を読んだことはないのですが、間違いなく言えるのは

 

この小説と日本語は相性がいい!”

ってことです。

 

いい加減にどーいう事か

書けって話ですね(笑)

すいません。いますぐ書きます。

 

 

この小説は主人公であるチャーリーの

一人称視点で描かれています。

 

そして、物語の開始時、つまり

最初の児童と同レベルの知能の時は、

常用漢字さえ使いこなせない”

と表現力していることです。

 

例えば、

  1. 単語の”パン”をひらがなで書く

  2.  

    ”写真”を漢字で書けない(つまり平仮名‼️)

  3.  

    一部の言葉が聞き取れていない

 

これらの表現がなされています。

 

そして、その知能を示すかのように

地の文がまるでエキサイト翻訳の様に

書かれています。

 

しかし手術後にチャーリーの知能が向上し始めると、地の文にも変化が生じます。

 

”睡眠”と漢字で書ける様になる。

などです。

 

そして最終的に”天才”と言われ始める様になると、

”封鎖海域通過許可書の管理の強化を大学教員に質問する”

 

と、読者が解読不能なレベルまで進化を遂げて行きます。

 

心情の方も最初は、幼児並みだったのが

だんだんと成長していき

恋愛についても考えていく様になります。

 

もっとも彼にとって、それは良かったのか悪かったのか…

 

ともかく、このように文章構成が変遷していくわけです。

 

すると面白い現象が起きます。

 

小説をパラパラとめくると、知能が低い頃は平仮名ばかりで、

知能が上がると漢字の比率が増えてくるのです。

 

このように体感的にもチャーリーの知能の成長がわかるようになっています。

 

おわりに

この小説はお気に入りなんですよ。

まず表紙がいいですよね。

 

私はいわゆる”ジャケ買い”をしたわけで

す。

 

読んだことがあったのに、表紙が気に入ったから買うとか、あの時の自分はよっぽど気に入ったんでしょうねぇ^^

(もちろん今も好きですよ(^ ^))

 

今回はあえて結末に近いところは触れていません。

 

正直、ここら辺を全く書かないでレビューを書くって難しいです。

 

しかし、なぜこんなことをわざわざしたのか? それは、

”自らの手で”

読んで欲しいからです。

 

本を読まず、要約をきくだけでもストーリーはわかります。

 

しかし今回のSFポイントの内容は、読まなければ絶対にわかりません。

今回書いたことを体感して欲しいのです!!

 

そして、

・チャーリーがどうなるのか。

・アルジャーノンはどうなるのか。

・そもそも”アルジャーノンに花束を”とはどういう意味なのか。

 

これらを考えながらも読んでみて欲しいです。

 

珍しくマトモに書きましたが

今回はこれで終わります。

第七回 春にして君を離れ

 

はじめに

今回は海外の小説です‼️

 

というのも私は、海外の小説も好んで読みます。

 

しかし過去6回を振り返ると

そこには一つも海外のモノがないじゃないですか‼️

 

これはバランスが悪い。(笑)

 

小学校の図書館の本棚も

ハリーポッターとかダレンシャンとかがあるからバランスが取れているんです。

 

司書さんもそういうの考えてるんですよ、きっと

 

………

 

考えすぎですかね(笑)

 

いや、きっと考えてます‼️

 

メッチャ脱線しましたね(笑)

 

さてさて、今回の小説は

アガサ・クリスティー 

”春にして君を離れ”

 

 

 

まず表紙がいいですね。

この小説をよく表したというか。

 

何が?と思うかもしれないですが、

それはこのブログを最後まで読めばわかります(笑) 

 

あらすじ

主人公である主婦のジョーンは幸福な人生を送っていた。

 

夫のロドニーは弁護士。息子たちも有力者になるなど、まさに”順風満帆”

しかし、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰ることに。

 

そこで旧知の友人、ブランチと出会う。

そしてジョーンはそれをキッカケに考えるのであった。

 

自分のやってきた

”家族を幸せにするために家族に強制してきた事”

が、本当に家族のためになってきたのかを…

 

SFポイント

アガサ・クリスティーといえば…

そうミステリーですね。

 

しかし、今回の小説は

ホラーです。

 

あらすじを読んだだけだと、なぜこの小説がホラーなのか、わからないですよね

 

今回のSFポイントはズバリそこです。

 

”一見するとホラーに見えないのに気がついたらホラー”

これです。

それでは説明して行きます。

 

この小説は9割が主人公である

ジョーンの回想です。

 

そしてその内容というのが

”あの人を思って、ムリヤリ人生をいじったけど、それは本当にその人のためなの?”

というものです。

 

主人公の夫は弁護士をしていて、

仕事は成功しています。

つまり世間的には勝ち組なわけです。

 

しかし夫は最初から弁護士を目指していたわけではありませんでした。

 

最初は農園を築いて暮らそうとしていたのでした。

 

そこをジョーンが”矯正”して弁護士にさせたのでした。

 

同じことを家族全員におこなっていきました。

 

回顧をする前は、ジョーンは自らの行為を絶対に正しいと思っていました。

 

しかし回想を続けるうちに

実は皆は私のせいで不幸になったのでは?

という不安に取り憑かれていきます。

 

そしてジョーンは次第に家族に対して

取り返しのつかないことをしたのでは?

と自らを責め始めます。

 

徐々に話の雲行きは暗くなっていって…

 

この一見すると主婦の回顧録であり

エッセイのように見えたものが

気がつけばホラーになっているのです。

 

この辺の誘導のウマさというか

徐々に本腰が入っていく所は

流石ミステリー作家という感じです。

 

前にも書きましたが、私はミステリー作家だけどホラーを書いたというような

”本業じゃないジャンル”が大好きなので

今後も書くかもしれません。

 

おわりに

今回は完全に趣味について書きます。

 

常盤コウの趣味は山ほどあります。

その中で今熱いのは

”野球”です。⚾️

 

私が応援してるのは

北海道日本ハムファイターズというのは

前にもお話ししたと思います。

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そこファイターズがメッチャ調子いいので書きたくなりました(笑)

 

セリーグも10.5ゲーム差とかだったのに

追い上げてきましたね〜

 

混戦なのは見ていて楽しいです。

 

しかし、私が野球ファンになったのは

実は去年の10月です。

 

それまでは野球なんてドラマの開始時刻を遅らせる存在だと思っていたくらいです。(今はなかなかそんな事もないですが)

 

急に野球観戦に目覚めた理由は

またどこかで書こうかと思いますが、

 

とにかく今シーズンは熱いです‼️

 

皆さんも是非球場へ‼️

 

………

本当は今絶好調のファイターズについて詳しく書こうと思ってましたが、

字数がかさみ過ぎですね(笑)

 

それに読書カテゴリーで何書いてるんだか(笑)

 

ただ、今後も書きますけどね

 

今回はこれで終わります

 

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第六回 椿山課長の七日間

 

 

はじめに

 

前回、前々回は気合を入れて書きました。

 

文章から熱意の程が伝われば

文章作成冥利に尽きます。

 

さてさてそんな前回の熱意から一転、

今回は軽めのものにしたいと思います。

 

いくらハンバーグが好きでも2日連続だと飽きてきますからね(笑)

 

その小説とは

赤川次郎(著)

椿山課長の七日間

 

 

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

 

 

 

 

もちろん、この小説。

いくら軽いといっても、それは

あくまで読むのが

”とっつきやすい”という意味です。

 

決して中身が軽いということではないです。

 

作者は皆がご存知の

浅田次郎さん

 

名前を知ってる人の小説って

とっつきやすいですよね。

 

そういう意味でも”読み始めやすい”

小説を、今回ご紹介します。

 

 

あらすじ

主人公の椿山和昭は百貨店の課長。

社内のマドンナであった妻を持ち、

優秀な息子を持つなど、仕事に追われながらも幸福な生活を送っていた。

 

ある日百貨店のセールのために

なりふり構わず仕事をしていた椿山は、

心労がたたって死んでしまう。

 

目覚めた先は”あの世”だった。

 

現世に未練を残した椿山は

七日間だけ現世に戻ることを許される。

 

しかし戻った現世で待ち受けていたのは

自分のよく知る人物達の、

            自分が全く知らない顔だった…

 

 

SFポイント

今回のSFポイント…それは

 

”あの世の無機質さ

                     

                    現世の生々しさ”

 

皆さんはあの世をどうイメージしますか?

 

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こんな感じですか?

 

あるいは

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こんな感じですか?

 

では、作者の浅田次郎は小説で、

どんな”あの世”を作ったでしょうか?

 

 

考えてからスクロールして下さいね‼️

 

 

 

 

《正解》

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役所。

 

意味がわかりますか?

私は最初わからなかったです。

 

説明します。

この小説の中では死んだものはあの世に行く前に審査を受けます。

 

しかしその審査はまるでお役所仕事。

写真撮影をして、講習を受けて、問題なければ天国へ。

 

すごいベルトコンベア感(笑)

現実の役所より役所かもしれない。

 

小説中の文章だともっと役所っぽいで

す。

ここはヘタに引用をしないので

是非小説を手にとってみてください。

 

さてさて、そんなあの世から主人公の椿山は現世に一時帰国します。

 

あの世から現世に戻る時には様々な制約が付きます。

  1. 7日間限定
  2. 現世に戻る時は見た目を強制的に変えられる(元の姿がおじさん→スタイル抜群の美人)
  3. 自分の素性を明かしてはいけない

 

他にもありますが、とりあえずこのくらいです。

 

椿山はこれらの制約を守りながら

現世でやり残したことをするために戻ります。

 

やり残した事とは、

  • 会社のセールの成功
  • 妻子の今後
  • ボケてしまった父親の今後

 

そして、現世に戻る時に

その担当官に言われた

「あなたの元カノが、あなたのせいで辛い思いをしている」

という全く身に覚えの無いことへの

潔白の証明

という新たな確認事項も持って戻ります。

 

しかし戻った現世にで知った事実は

目を覆いたくなることばかり

 

さっきまでいたあの世では

役所的すぎて

主人公の心は少し冷めていました。

 

しかし、現世に戻ってからの椿山の

心情は…

泣けますね。

読んでるこっちの心が張り裂けそうです。

特に椿山の息子がね…

 

それと主人公以外にも現世に戻る人が2人。

ヤクザの親分と、親思いの子供。

 

親思いの子供が亡くなってるってだけで涙腺きませんか?

少なくとも私は泣きました(T ^ T)

 

どうですか?少し気になりませんか?

読んでくださいね❤️

 

このあの世パートと、現世パートの

人情の代わりぶりを

楽しみに読んでみてください。

 

 

おわりに

今回の終わりは、完全に私事を書こうと思います。

 

ブログのデザインを一部変更してみました。

 

私はC言語のような”プログラミング”

とかは全くわからないので

メッチャ苦労しました(笑)

 

といっても人の書いたコードを

埋め込むだけなんですけどね。

 

デザインについて気にくわない事があったら是非言ってください

 

可能な範囲で直しますので。

 

それではまた次回にお会いしましょう!