常盤コウのSF(少し不思議)ブログ

〝少し不思議〝な小説紹介!!

第11回 ささらさや

 

今回から”第〜回の、〜の所を算用数字で書こうと思います。

 

漢字で一文字で書ける10回までなら

いいのですが、99回とかになった時に

”九十九回”

とかやると読みにくいですからね。

 

そこまで続くかは不明ですが(笑)

 

そんな皮算用かました所で

今回の小説は

 

加納朋子(著)

”ささらさや”

 

ささらさや (幻冬舎文庫)

ささらさや (幻冬舎文庫)

  • 作者:加納 朋子
  • 発売日: 2004/04/01
  • メディア: 文庫
 

 

 

この作品は何というか温かいんです。

ストーリー上の人の温かさもそうですが、この作者の文は何か読んでいて安心出来ます。

 

困難な目にあっても周りの人が助けてくれるみたいな安心感が。

 

(イメージ図)

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文章で書くのは難しいのですが、そのような感情を抱かせる小説です。

それではあらすじをどうぞ

 

 

あらすじ

引っ込み思案な主人公のサヤは交通事故で夫に先立たれてしまう。赤ん坊の子供、ユウスケと共に佐々良という街へ引っ越す。

 

引っ越した先でサヤは様々な事件に巻き込まれる。

 

しかしその度に死んだ夫が、誰かの体に取り憑くことで助けに来るのだ。

 

やがてサヤの周りには頼もしい近所の知り合いもできていく。

 

夫の力も借りながら、近所の人々の力を借りながら、サヤは徐々に母親として成長していく。

 

SFポイント

今回のSFポイントはズバリ

”人々の助け合いと、さやの成長”

 

この小説のスタート地点では、サヤは母親として未熟です。

 

もっとも、子供を残して夫に先立たれた

妻にしっかりしろ!というのはムリがあるのですが。

 

最初の頃のサヤは、困りごとが起こるとすぐにパニックを起こし、極度の人見知りで、すいませんばっかり言っている。

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だいたいこんな感じです。

 

ですから葬儀屋に騙され、親権を取られそうになり、死んだ夫以外に助けてくれる人はいない……こんな状態でした。

 

しかしストーリーが進むと、

サヤを強力にサポートするキャラとアクの強いおばさん3人衆(久代、夏、珠子)が友人になります。

 

この3人組がさよの家に頻繁に出入りすることになり、サヤもそれを楽しみにする様になります。

 

そして心の平穏をいくらか取り戻した

サヤは、郵便の配達員と談笑できるまでに成長⤴︎⤴︎

 

そして遂には同い年の友達を得ます。

その名もエリカ、子供の名はダイヤ。

 

エリカもシングルマザーだった事もあり、仲良しに。(エリカの場合は離婚なのですが)

 

そして最後には

あ、ネタバレになりそうなので

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(貼るのが遅かったかもしれないです)

 

この小説ではかなり最初のページから

子供のいない夫の姉が

ユウスケの為という大義名分の下

ユウスケの親権をサヤから奪おうとしています。

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そして最後には誘拐に近いものを行います。サヤは夫の力を借りることなく、周りの人の力を借りながら見事に解決して見せました。

 

サヤは見事な”母”となったのでした。

 

 

 

この物語はサヤの成長が主軸に据えられていますが、この点を加納先生はシッカリと描いています。

 

彼女の文体と合わさり、サヤはシッカリとした仲間を得て、母として成長していく。

その魅力を体感するのが、この小説の醍醐味といえます。

 

 

おわりに

この小説は映画化しています。

 

 

 

そして小説読みは必ず”ある難題”を抱えています

 

すなわち

”小説から見るか、映画から見るか”

 

小説を純粋に楽しみたい人にとっては

映画の俳優は想像の邪魔になります。

 

すなわち映画を先に見なければ

「このキャラはこんな感じの顔」

と、想像しながら読めます。

 

対して映画を先にみるとどうしても

キャラを想像するときに俳優の顔がダブります。

 

ハリーポッターなんかが想像しやすいと思います。

 

対して先に映画を見る派の人は

  1. 先に全容を把握したい
  2. そもそも小説なんか読まない
  3. 小説を読む際に俳優の顔がダブった方がむしろ好都合

このような理由があると考えられます。

 

さてさて私、常盤コウはどちらサイドの人間か?

 

答え:小説が先!!

 

だって映画を先に見たら不純物が混じるじゃないですか。

 

小説の醍醐味は

”著者と読者の対話”

これに尽きます!!

(異論はもちろんあり)

 

この作品も例外ではないです。

本作の映画での夫役は

大泉洋さん”

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言わずもがな大泉さんは

あのキムタクばりにキャラが確立しています。(けなしているのではなく、キャラを確立していることを褒めています)

 

水曜どうでしょうを見る分にはいいのですが、こと小説原作の映画ではダメです。

 

あまりに夫役の大泉さん成分が強いのです。

映画を観た後に小説を読んでも、もはや大泉さんの顔しか出てこなくなります。

 

これでは著者との対話など不可能であります。

 

よってこの作品に関しては

私は”小説が先”をオススメします。

 

もっとも同じ大泉洋さんが出演している

小説原作映画でも、映画が先でもいいものがあります。

 

それが”探偵はBARにいる”です

 

探偵はBARにいる

探偵はBARにいる

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

この作品は著者が自ら

大泉さんが主演ならokと許可を出しています。

 

これなら著者との対話を阻害していることにはならないです。

 

………

まぁ散々言ってきましたが、

ぶっちゃけ好きに読んで下さい。

 

私が書いた内容を真に受けて

小説を嫌いになられたら元も子もないですし(笑)

 

こんな楽しみ方もあるよ、くらいに捉えていただければ。

そうお考えください

 

今回はそろそろお別れにします。

それではまた次回